春の花粉症について
昨年の夏が暑かったため、今年春のスギ花粉量 が多いと推測され、花粉症患者にとってはまさに悪魔の季節がやってきます。
症状は主に鼻と眼に現れ、アレルギー性鼻炎とアレルギー性結膜炎が同時に発病した状態が一番多いと見られます。
その他の症状も含めて、以下のようなタイプに分けられます。
くしゃみ・水様性鼻汁・鼻閉 鼻孔周囲の痒み。
鼻閉は、長時間続き、約40%の患者は口呼吸を必要とする。
口呼吸により口腔咽喉の乾燥、咽頭炎の併発、睡眠障害、精神作業障害、いびき、頭痛などの二次的障害を起し、生活のQOLが影響されます。
痒み・流涙・羞明・眼球・眼瞼結膜の充血。
痒み・痛み。咽頭の発赤。 咳・喘息の症状。 顔面・外耳道の痒み。
頭痛・寒気・熱感・全身倦怠。
胃部膨満感・腹痛・軟便。
原因となる花粉の種類と飛散時期
南北に長い日本列島は、花粉症の原因となる植物も多種多様で、その数は、50種以上にのぼるといわれます。
▼ 花粉症を起こす代表的な植物
▼ 主な花粉の飛散時期
※図は南関東地方を中心に設定したもので、地域によって、多少時期が異なります。
花粉飛散の要注意日
- 風が強く、晴天の日
- 最高気温が高い日
- 湿度が低く、乾燥した日
- 雨上がりの翌日の晴れた日
花粉症の治療
アレルギー性疾患である花粉症は、短期間で完治させることはできません。
それでも、薬でつらい症状を少しでも楽にすることはできますし、気長に構えれば、もとから治すことも可能です。
▼ 花粉症の薬
内服薬には、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの原因となるヒスタミンをおさえる成分が入っています。
鼻、目、のどなどそれぞれに働いて、花粉症のつらい症状をやわらげます。
内服薬には、効きめが長く持続するように工夫された薬もあります。
鼻水、鼻づまりを速やかにとめることができます。
また、鼻の粘膜の充血やはれをおさえ、鼻のとおりをよくします。
点鼻薬は、眠気をもよおすことが少ないという利点もあります。
目のかゆみや充血をやわらげます。
花粉症Q&A
花粉症は、遺伝するの?
花粉症の最大の要因はアレルギー体質の遺伝です。
しかし、生活習慣や住環境など、ほかにも様々な要素があり、家族に花粉症の人がいても発症しないケースは珍しくありません。
花粉症になる人とならない人、なにが違うの?
遺伝的にアレルギー体質を持っているか否かが、大きな分かれめになります。
それに加え、食生活をはじめとする日常生活の要素が深くかかわっているほか、花粉が多く飛んでくるところに住んでいる人は、花粉症になりやすいといえます。
ある年突然、花粉症になるのはどうして?
アレルギー体質の人は、花粉という抗原を体内に取り込むと、IgE(アイジーイー)という抗体をつくります。
でも、この抗体の量が一定の水準に達するまでは、症状は現れません。
子供のころから毎年、花粉を吸って、抗体をつくり続け、やがてその水準に……。
そこでさらに花粉を吸い込んだとき、くしゃみや鼻水などの症状が出るのです。
花粉症は体質を改善すれば治るって、ホント?
確かに、アレルギー体質をなくすことができれば、花粉症は治ります。
しかし、これは普段の生活を変えるだけでは不可能で、医療機関で「減感作(げんかんさ)療法」を受けるしかないのが現状です。
お年寄りに花粉症が少ないのはどうして?
戦後10余年が経った1960年代になるまで、国内で花粉症はみつかっていませんでした。
現在のお年寄りに花粉症の人が少ないのは、スギ花粉の飛ぶ量が少なかっただけでなく、当時の日本人の食生活や住環境がアレルギー体質になりにくくしていたからです。
また、年をとると免疫の力が低下するため、花粉に対しても敏感に反応しなくなり、若いころほどひどくなくなる場合もあるのです。
「花粉症かな」と思ったときは?
医師によるアレルギー検査を受けましょう。
採血して「特異的IgE(アイジーイー)検査」で抗体の量を調べれば、診断できます。