◆ 高脂血症は、血液中の脂質コレステロールや中性脂肪が多すぎる血液の成分不良です!
高脂血症というのは、血液中の脂質、具体的にはコレステロールや中性脂肪(代表的なものはトリグリセリド)が、多過ぎる病気のことです。
「血液の中にアブラなんかあるの?」って思うかもしれません。
しかし、血液中にはコレステロール、中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸の4種類の脂質がとけこんでいます。
ところが、血液中の脂肪が異常に増えても、ふつうは、痛くもかゆくもありません。
だから、自分では全然気づかないし、「高脂血症です」といわれても、それが何を意味するのかピンとこない人が多いのが実情です。
そして、そのまま放置してしまう方が多いのです。
では、そのまま放置したらどうなるのでしょう?
増えた脂質がどんどん血管の内側にたまって、動脈硬化を引き起こします。しかし、動脈硬化になっても、まだ自覚症状は出にくいのです。
ついには、心筋梗塞や脳梗塞の発作を起こして、やっと高脂血症の重大さに気づくというわけです。
◆ 高脂血症は3タイプ
血液中にある4種類の脂質のうち、多過ぎると問題なのは、コレステロールと中性脂肪です。
高脂血症には、
の3タイプがあります。
血液中の総コレステロール、とくにLDL(悪玉)コレステロールが多過ぎると、動脈の壁にくっついて動脈が厚く硬くなります。
だから、高コレステロールが動脈硬化にとって大問題なことは明らかですね。
中性脂肪は、それ自体は動脈硬化の原因にはなりません。
だけど、中性脂肪が多いと、HDL(善玉)コレステロールが減ってLDLコレステロールが増えやすくなるんです。
だから、間接的に動脈硬化の原因となります。
また、中性脂肪の多い人は、あとで話す「死の四重奏」と呼ばれる危険因子をいくつも持っていることが多いんですね。
どのタイプかによって治療も違ってくるので、お医者さんは患者さんがどのタイプかを、きちんと診断して、指導や治療を行います。
◆ 高脂血症は、症状の無い病気です!発見するには検査しかありません!
高脂血症は、家族性高コレステロール血症以外、初期には自覚症状がまったくありません。
けれど、ほかの生活習慣病もそうであるように、早く見つけて早く対処することがとっても重要です。
症状のない病気を早期に発見するにはどうするかそれには無症状のうちから定期的な健康診断で調べてもらうことです。
それ以外に方法はありません。
1年に1回はかならず健康診断を受ける習慣をつけましょう。
高脂血症の検査は、普通に行われる健康診断では必ず行いますし、ただ血液を採るだけですから、簡単です。
検査項目とその診断基準は、以下のとおりです。
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※LDLの計算式
LDLコレステロール=総コレステロール-HDLコレステロール-トリグリセリド×0.2
高脂血症の検査は、採血検査になります。
結果は採血の翌日(翌日が休診日の場合を除く)に出ますので、2回目のご来院時に医師より結果報告を行います。
尚、検査日当日は食事を抜いてきてください。
◆ 治療の基本は、生活習慣の改善と薬物療法です
生活習慣の改善は、血中脂質を下げるだけでなく、動脈硬化が進むのを防ぐのが目的です。
だから、動脈硬化を促進するほかの要素、高血圧、耐糖能異常、肥満なども改善できるよう生活を改善します。
そのおもな内容は
なかでも特に重要なのが食事(食事療法)で、これは適正体重の維持とも深く関わってきます。